WordPressでオリジナルテーマを作りながら、
プラグインの導入やカスタマイズの検証をしてみたい。
でも、いきなり全部のテンプレートを揃えるのは大変…。
そんなときに役立つのが、“最低限の構成だけを揃えた検証用テーマ”です。
このページでは、
- HTMLからPHPに移行したときの実装を試してみたい
- CSSの反映や適用範囲など、スタイルの当たり方を確認したい
- プラグイン導入後に表示や動作をすぐにチェックしてみたい
といった、“カスタマイズや構造理解を深めるためのベース”として使える、
シンプルなテーマ構成と仮レイアウトをご紹介します。
必要なフォルダ&ファイル構成(最小ベース)
ここでは「見た目の確認」と「最低限の機能」がスムーズにできるよう、
無駄を省いたシンプルな構成を紹介します。
最低限、以下のようなファイルを準備しておくとスムーズです。
sample-theme/
├── style.css ← テーマ情報用(WordPressに認識される用)
├── assets/
│ └── style.css ← 実際のスタイルを書くファイル
├── index.php ← 仮レイアウトのメイン
├── header.php
├── footer.php
├── functions.php ← CSS読み込み用
└── template-parts/
└── breadcrumb.php ← パンくず表示用テンプレート
補足|CSSを分ける理由
WordPressのテーマでは、style.css
にテーマ情報(名前・バージョンなど)を書く必要がありますが、
実際のスタイルは別ファイル(例:assets/style.scss
や css/style.css
)に分けるのが一般的です。
理由は主にこの2つ:
- 構造とデザインを分けることで管理がしやすい
- Sassなどのプリプロセッサで書く場合、
style.css
とは別出力が必要
こうしておけば、後々のテーマ開発やカスタマイズでも混乱せず、メンテナンスしやすくなります◎
各ファイルの最低限コード例(コピペOK)
このまま貼り付ければ、テーマとして動作する最小セットになります◎
ローカル環境や WP STUDIO などで動かしてみると、ファイルごとの役割やつながりがより具体的に理解できますよ。
WP STUDIOを使ってこのコードを動かしたい方は、以下のアコーディオンを開いてご覧ください。
※不要な方は閉じたままでOKです👇
WP STUDIOを使ってテーマを試す簡単ステップ(※クリックで開きます)
WP STUDIOのアプリをすでにインストールしている方は、以下の手順ですぐにこのテーマを表示できます。
準備ステップ(初回のみ)
①WP STUDIOを起動
②「サイトを追加」からサイト名・保存先・ドメインを設定(すべてデフォルトでもOK)

③サイトが作成されたら、Finder
をクリック

④wp-content/themes/
フォルダ内に新しいテーマフォルダ(例:sample-theme
)を作成

ファイル配置場所の確認
作った sample-theme
フォルダの中に、これから紹介する以下のファイルをコピペして保存してください:
style.css
index.php
header.php
footer.php
など、記事で紹介しているファイルすべてVS Codeなどのエディタで作成して保存していきましょう。

記事内にあるコードをコピペすれば、そのまま動くテーマとして反映されます!
※コーディングに慣れていない方も、まずはそのまま貼り付けて動かしてみるだけでOKです。
Localで試したい方はこちら

style.css
/*
Theme Name: Sample Theme
Author: あなたの名前
Description: WordPressの学習や検証に使える最小構成のテーマ
Version: 1.0
*/
この情報があるだけで、WordPressはこのフォルダを「テーマ」として認識してくれます。
管理画面の「外観 > テーマ」から、有効化できるようになります◎
⚠
style.css
に実際のスタイルは書かないようにしましょう!
あくまでテーマ認識用のメタデータファイルとして扱います。
index.php
<?php get_header(); ?>
<main class="site-main">
<div class="page-heading">
<h2>メインコンテンツ</h2>
<p>これはテスト用のコンテンツです。</p>
</div>
</main>
<?php get_footer(); ?>
header.php
<!DOCTYPE html>
<html <?php language_attributes(); ?>>
<head>
<meta charset="<?php bloginfo('charset'); ?>">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1">
<title><?php wp_title(); ?></title>
<?php wp_head(); ?>
</head>
<body <?php body_class(); ?>>
<header class="site-header">
<h1>ヘッダー部分</h1>
</header>
header.php
に wp_head()
があるか確認しておきましょう。
これは <head>
タグ内に記述されている必要があります。
プラグインやスタイルシートが正しく読み込まれなくなるため、必ず含まれているか確認しましょう。
footer.php
<footer class="site-footer">
<p>フッター部分</p>
</footer>
<?php wp_footer(); ?>
</body>
</html>
footer.php
に wp_footer()
が入っているか確認しておきましょう。
こちらも <body>
閉じタグ直前に記述されている必要があります。JavaScriptの読み込みやプラグイン動作に影響します。
functions.php(CSS読み込み用)
<?php
function sample_theme_enqueue_styles() {
wp_enqueue_style('main-style', get_theme_file_uri('/assets/style.css'), [], '1.0');
}
add_action('wp_enqueue_scripts', 'sample_theme_enqueue_styles');
外部CSS(今回の場合は /assets/style.css
)をテーマに読み込むための処理です。
assets/ style.scss(→ style.css にコンパイル)
.site-header {
background-color: #fce4ec;
padding: 20px;
text-align: center;
}
.site-main {
background-color: #e3f2fd;
padding: 60px 20px;
min-height: 600px;
}
.page-heading {
padding: 60px 0;
font-size: 24px;
margin-bottom: 20px;
text-align: center;
}
.site-footer {
background-color: #ede7f6;
padding: 20px;
text-align: center;
font-size: 14px;
}
WordPress管理画面で有効化|示チェック
①WP STUDIO内の管理画面→WP管理画面(http://◯◯◯.local/wp-admin)にアクセス

②「外観」→「テーマ」から sample-theme
を有効化

③表示確認すれば、自作テーマが反映されているはずです!

- ヘッダー・フッターに背景色がついている
- スタイル(余白・文字サイズなど)が反映されている
- パンくずリストの表示位置・見た目が整っている
この時点で表示されていれば、テーマ構成とCSSの読み込みはOK!
この状態をベースに、パンくず以外のUIパーツやテンプレートの練習にも活用できます。
最後に
このミニマルなテーマ構成は、
- パンくずの実装
- カスタムテンプレートの追加
- プラグインを使った表示確認
など、WordPressの構造理解やカスタマイズの練習にぴったりです。
このテーマでカバーできる構成と役割
ファイル名 | 役割・目的 |
---|---|
style.css | テーマ情報(WordPressに認識させるために必要) |
functions.php | CSSなどの外部ファイル読み込み処理 |
header.php / footer.php | 共通レイアウト・wp_head() wp_footer() の出力 |
index.php | 仮レイアウトの表示確認・構造のベース |
template-parts/breadcrumb.php | パーツテンプレートの読み込み・再利用構造の練習用 |
assets/style.scss | 実際のスタイル定義用(自由に調整&拡張可能) |
これだけで、WordPressテーマの動作・表示・スタイルの適用確認まで一通りOKです◎
パンくずに限らず、さまざまなカスタマイズ検証のベースとして活用できます。
今後追加するかもしれないファイル一覧(参考)
ファイル名 | 目的・追加タイミング |
---|---|
page.php | 固定ページ専用のレイアウト切り替えが必要なとき |
single.php | 投稿ページに本文や個別表示の処理を入れたいとき |
screenshot.png | テーマ一覧で表示されるサムネイル(任意) |
style.css 内 Tags: | テーマを分類したい場合(公式登録や検索対応時) |
functions.php 内 add_theme_support() 系 | アイキャッチ・メニュー・カスタムロゴなどを追加したいとき |
検証用・学習用の土台として、ぜひ自由に使ってみてください!